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その他成分について

2020 09.05

【 アルコール(エタノール)】の濃度による殺菌(除菌・消毒)効果について

 

 

殺菌(除菌・消毒)に使用されるエタノール(アルコール)の殺菌効果の至適濃度範囲(有効範囲)は、下記の通りとされています。

 

日本薬局方(局方): 76.9~81.4 v/v%

 

米国薬局方 USP-NF : 68.5~71.5 v/v%

USP-NF(The United States Pharmacopeia-National Formulary)

 

WHO(World Healthcare Organization)ガイドライン: 60~80 v/v%

WHO(World Healthcare Organization)

 

しかし、これらの至適濃度は、2000年以前の実験データに基づいて決められたものが多く、試験方法・エタノールと菌やウイルス種との混合比率や作用時間など条件が異なるため、有効的に比較できるものではありませんでした。

 

この現状を踏まえ、東京医療保健大学大学院 神明 朱美 氏(現:城西国際大学 看護学部 助教)が医療関連感染で重要な細菌・真菌・抗酸菌の殺菌効果、および抗ウイルス効果に対するエタノール濃度の影響を検討することで有効最小濃度を確認し、エタノールの殺菌・抗ウイルスのスペクトルを明らかにした論文「殺菌・抗ウイルス効果に及ぼすエタノール濃度の影響」(2019年3月11日)を要約した結果を下記のようにまとめました。

※論文の詳細は ⇒ こちらをクリック

 

 

この論文により、殺菌効果が見込める濃度は、WHOが規定している通り、60~80v/v%の範囲があれば十分とされます。

 

この理由は、論文に記載されている実験結果から、

エタノール濃度63v/v%(55w/w%)があれば、さまざまな菌・ウイルスに対しての殺菌効果が期待できるからです。

 

ただし、人への感染リスクがあると言われている20種類ほどの抗酸菌(※1)の中で、

Mycobacterium intracellulareの殺菌については、72 v/v%以上の濃度が必要なため、

WHOのガイドラインの最大値で、80v/v%の濃度設定がされていると考えられます。

Mycobacterium intracellulareは、70v/v%では殺菌できません

※1 抗酸菌は、感染力は弱く、人から人には感染しません。

 

 

また、ノロウイルス(※2)などの一部のノンエンベロープウイルスに関しては、アルコール濃度が高いといいわけでなく、

アルコール溶液を「弱酸性化」することや「殺菌時間を長く」することによって殺菌効果が期待できます。

※2 ノロウイルスには、次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウムが効果的

 

 

さらに、アルコール(エタノール)は、高濃度溶液中でエタノール分子は、水素結合+疎水結合によりポリマー様構造を形成し、水分子と会合することにより、大きな疎水性表面を持つクラスターを形成していることが報告されています。

この構造は、77v/v%(70w/w%)で究極の状態になるため、この濃度での殺菌力が最も高くなると考えられています。

参考文献: 西 信之、最田 優「ウィスキーの中のクラスター化学と工業 47」(1994年)

 

この理由により、

85v/v%(80w/w%)以上のアルコール(エタノール)濃度では、殺菌力が低下します。

 

 

 

 

新型コロナウィルスへの不活性効果

2020年4月17日に北里大学 大村智記念研究所 ウイルス感染制御学研究室Ⅰ  片山和彦教授らの研究グループが市場に流通している医薬部外品・雑貨のうち、主にエタノール、界面活性剤成分を含有し、新型コロナウイルスの消毒効果が期待できる市販製品を対象に、新型コロナウイルス不活化効果を有する可能性について、試験管内でのウイルス不活化評価を実施したプレスリリースを発表した。

 

この研究によると

濃度50%以上のエタノールに、接触時間1分間で十分な新型コロナウイルス不活性化が可能

と発表しています。

詳細は ⇒ こちらをクリック

 

 

 

 

アルコールの除菌メカニズム

アルコール(エタノール)は、生体膜を透過する一方、中程度の濃度(40%)以上では両親媒性を持つために、細胞膜など脂質膜やタンパク質を変性(細胞膜が壊れ、穴があき、細胞内容物が漏れ出てくる)させる生理作用があります。

 

原核生物である細菌などに作用すると、タンパク質の変性や溶菌などの殺菌作用があります。

また、ヒトなどの局所作用として収れん作用が現れます。

 

つまり、ある程度水が存在する状況では、アルコールが膜を変性すると共に、透過したアルコールなどが菌の内圧を高め溶菌などの作用があります。

 

一方、高濃度ではタンパク質の構造水などの脱水作用が生じるため、変性作用が強く現れます。

(アルコール度数が高い物は、脱水作用により細胞膜など外膜に対して浸透圧による外圧が加わり、溶菌作用を減弱させるように作用)

※詳細なメカニズムはいまだ解明されていません。

 

 

 

論文・研究結果からの考察

あらゆる菌・ウイルスに対して、殺菌(除菌・消毒)を行うという観点では、

日本薬局方が定める76.9~81.4 v/v%が必要であるが、

63v/v%の濃度があれば、一部の菌・ウイルスを除き十分な殺菌効果が期待できます。

 

また濃度の高いアルコールを使い続けると、手荒れが進み菌が滞在しやすくなるため、

アルコール除菌と併用して、ハンドクリーム等でのハンドケアが大切です。

 

 

 

 

 

注意! アルコール濃度の単位について

アルコール濃度の表記は、主に2つあります

●質量パーセント濃度: wt% or w/w%

●容量パーセント濃度: vol% or v/v%

※質量濃度と容量濃度の換算表は「一般社団法人アルコール協会」が公開しています ⇒ こちらをクリック

一般的には、容量パーセント濃度が使用されています。

そのため、一般的にアルコール製品に記載されている濃度で、特に表記がない場合、容量パーセント濃度になります。

 

 

 

 

 

 

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※画像は、イメージです。

※本ページの成分説明は、一般的な成分の性質を述べたものであり、

当社が運営するサイトに記載されています当社製造製品の効果・効能を表すものではありません。

また、当社以外の製品に配合された場合にも、必ずしもここに記載された働きをするとは限りません。

(その他の処方等によるため)

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