どのような種類を作るか?
どのような容器にするのか?
どれくらい作るか?
によって費用は大きく変わってきます。
そのため、化粧品のOEMを依頼する際には、
ある程度考えておくと見積や依頼をする際にスムーズにいくかと思います。
通常、化粧品をOEMで作る際、これからお伝えする内容がひとまとまりになって見積りとして提出されますが、実際どのような工程が積み重なって見積りができているのか解説します。これらの項目を知ることで、化粧品を企画する際にどのような知識が必要かも見えてくるかと思います。
なお項目ごとの価格については、ロット(発注数量)や仕様等によって大きく変わってきますので、ここではあえて触れないことにさせていただきます。
※本コンテンツは、一般的な化粧品OEMメーカーの一例です。
※必須でない費用は(opt)、ケースバイケースの費用は(cbc)と記載。
●処方開発費: 試作回数が多い場合など、追加費用が発生するケースがあります。
●試作品サンプル代(opt): 基本的な試作品サンプル費用は、処方開発費に含まれますが、数量や量が多い場合別途費用が発生します。
●防腐力、パッチテスト等の試験費(opt): 追加試験や第三者機関による試験(アレルギーテスト・パッチテスト・ノンコメドジェニックテスト等)には別途費用が発生します。
●モニターテスト(opt): OEMメーカーが直接モニターテストを行っているケースは少なく、提携する企業や紹介先でのテストになります。対象となる属性(世代・肌質・職業等)を選ぶことができ、よりターゲットを意識したモニターテストを実施することができます。
●原料費: 高価な成分や加工に手間がかかる成分を入れると高額になります。ただそのような成分でもOEMメーカーがまとめて仕入れている原料を使用すると割安に使用できる場合もあります。また特許成分の場合、高額なだけでなく使用用途など制約がある場合があります。
●製造人件費: 内容物を必要な分量を量り取っていき、混合していく作業。特殊な製造法や工程が多い場合その分コストがかかります。
●充填人件費: 容器に内容物を充填する作業。規格外のサイズ・形状などオートメーションの機械に対応していない場合、手作業での充填になりますので、その分コストがかかります。
●包装人件費: バージンシール貼り、シュリンク加工、箱の組み立てと箱入れ、アイキャッチシール貼り、ラベル貼り、内箱への梱包、外箱ダンボールへの梱包など機械ではできない作業も多く、複雑な包装形態をとるとコストに大きく反映されます。
●石けんの場合(cbc): OEMメーカーにない形状の型打ち石鹸を依頼する場合、金型代が必要となります。金型代の目安は、15~30万円程度で、複座な形状の場合50万円近くなる場合もあります。
●持ち込み原料の場合(cbc): 化粧品の原料として適合できるかの検査費。使える状態にするための加工費が必要となります。
●検体の菌検査費(cbc): 各OEMメーカーの自主基準で定められた基準に基づいて検査のコスト。追加の検査が必要な場合は、別途費用が発生します。
●光熱費: 製造時に使用する電気・ガス・水道の費用
●設備使用料: 見えない費用ではありますが、製造設備を維持するためのコストで、メンテナンスや修繕費用などがあります。また充填した後、液に触れる部分は、次に充填する液と混じらないようにすることが必要なため、しっかりとした洗浄作業が必要となりこの作業が意外と大変なこともあります。
※袋状の詰替え等を除く
※ロット等の条件により異なる場合があります。
<容器本体には次のような費用が発生します>
●希望の着色や印刷等を行う前の基準となる容器代
(メーカーによっては、何色か用意してある場合があります)
※材質によっても価格は大きく異なってきます。(例:PE、PET、ガラス、再生樹脂等)
※着色や印刷のロットについては、メーカーによって異なりますので各社にお問い合わせください。
●着色した場合のコスト(cbc): 通常追加料金が発生しない白・透明・半透明などの色があり、その他のご希望の色に着色する場合には、追加費用が発生します。3,000本位~着色することは可能ですが、5,000本以上でないとコスト高になってしまいます。
●印刷の色数: 1色ごとに版代と印刷代がかかります。
※版代の目安は、1色1.5~3万円程度です。版代がかからない印刷方法もあります。
※マット加工は、印刷として表現できます。
※楕円形や四角柱等の容器の場合、面ごとに印刷工程が発生するため、四角柱の容器で全面印刷すると円柱の4倍のコストがかかります。
※高価格帯の商品に見られる金・銀などの金属光沢のある印刷は、ホットスタンプ・箔押しと言われ、大きさや範囲によってコスト変わってきます。
●印刷方法:
一見同じように見える容器への印刷ですが、実はいろいろな印刷方法があります。
●キャップやポンプへの着色・加工(cbc):
通常追加料金が発生しない白・透明・半透明・黒などの在庫として用意されている場合があり、その他の希望の色に着色する場合には、追加費用が発生します。
3,000本位~着色することは可能ですが、5,000本以上でないとコスト高になってしまいます。
高級化粧品等に用いられる金冠(金色のライン)も可能です。
またポンプの着色の場合、コスト及びロットがかなり上がり、納期も半年以上かかる場合があります。
●オリジナルの形状の場合、金型代(opt):
大手企業の商品の場合、オリジナルの形状のボトルを見ることがあると思います。しかし、これらに使用されるプラスティックの金型は、おおかた200~500万円程度かかってきます。容器を3万個作ったとしても1個に数百円、金型代がのる計算なのです。
そのため、高額商品や年間数十万個出荷されるような商品でない限り、オリジナルの金型作成はオススメできません。
●パッケージデザイン
〇デザイン制作会社への費用: デザイナーに払うデザイン費
〇広告代理店を通す場合、ディレクションフィー(cbc): すでに付き合いのある広告代理店経由でデザイナーにデザインを依頼するケースも多いと思います。
〇コピー・裏面作成費(opt): 基本的には、依頼者側が作成しデザイナーに渡すのが一般的ですが、依頼者側で内容作成が難しい場合、コピーライターや広告代理店にお願いすることもできます。(有償となります)
〇校正、薬機法確認費(cbc): 社内に薬機法(薬事法)に詳しい人がいない場合、薬事法ドットコムのような薬事に関するコンサルティングを行っている企業に依頼するのも一つです。もちろんOEMメーカーがチェックしてくれる場合もありますが、言い回しなど依頼側でしっかりと確認する必要があります。
●化粧品本体を覆うもしくは入れる容器(素材)
〇化粧箱代(cbc): 厚紙や薄型ダンボール、プラスチック(ブリスター)が中心となります。最近は、簡易包装、廃プラスチックの流れがありますので、中身が見えないというデメリットはありますが、紙製で問題ない場合は紙製の方が好まれるでしょう。紙の厚さやパーツ数によってコストが変わってきます。
※木型代が発生する場合があります。
〇印刷代:
・厚紙の場合: 小ロットの場合モノクロとフルカラーでの価格差がありますが、ロットが大きくなれば、価格差は少なくなってきます。
・薄型ダンボールの場合: オフセット印刷やフレキソ印刷・グラビア印刷などがあり表現したいデザインにより使い分けます。
・プラスチック製(ブリスター)の場合: オフセット印刷やシルク印刷・フレキソ印刷・グラビア印刷などがあり表現したいデザインにより使い分けます。またプラスチックの金型代等が発生する場合があります。
・スライドブリスター(プラスチック+台紙)の場合: プラスチックの費用と台紙の印刷代・型代等が発生します。
〇インナートレー(中仕切・中枠)代: 紙製やプラスチック製のものがあります。
〇シュリンク代: 透明や印刷されたフィルムで容器を覆う手法です。厚さや素材、包み込む方法によってさまざまな種類があります。
●アイキャッチシール、ラベル(cbc)
・シール印刷代: 色数によって印刷代が変わってきますが、印刷会社によっては色数が多くても2色印刷などとさほど変わらない価格で印刷可能な場合もあります。また、版代や型代がかからない場合もあります。
・デザイン代: 内容を考えたあと、デザイナーにお願いするのが一般的です。
・版代: 色ごとに版代がかかる場合があります。
・型代: シールを型抜きするための型代がかかる場合があります。
●中箱、外箱: 製造した商品を入れるためのダンボールが必要です。プラスチックの箱など、容器や箱同士が擦れて傷になりやすい場合は、仕切りが必要になります。
※木型代: オリジナル形状のダンボールの場合、木型代がかかることがあります。
●印刷代(cbc): OEMメーカーに在庫のあるダンボールを使用する際は、特に必要でないですが、OEMで製造した商品を物流センターなどに大量に納品する際は、商品名やITFコード・JANコードの印刷が必要になります。その場合、印刷代が必要となります。(版代も必要)
●パレット代(cbc): 保管方法や納品形態にもよりますが、プラスチックや木製のパレットが必要な場合があります。
以上が、商品自体にかかってくる費用ですが、
その他にOEMメーカーの営業にかかるディレクション費・交通費・各種必要書類作成費・配送料・その他手数料等がかかり、
これらの合計が見積り価格として算出されます。
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