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OEM攻略知識

2020 08.08

医薬部外品(化粧品)OEM製造の費用・期間とは

 

 

スキンケア製品の登録分類

ドラッグストアや百貨店・化粧品専門店・バラエティショップなどで見るスキンケア製品には、「化粧品」登録製品と「医薬部外品」登録製品の2つがあります。

※ニキビ薬の一部など「第2類 医薬品」等に分類されるものもあります。

 

化粧品では、美白・ニキビが治る・消臭・育毛・薬用といった表現が広告やパッケージで使用できないため、それらの表現を使用したいという販売元(発売元)メーカーは、医薬部外品登録を行うことでそれらの訴求が可能になり、販売を行っています。

 

そのため、

発毛にいい成分があるので、医薬部外品の育毛剤を作りたい!

美白を訴求したいので、医薬部外品登録をしたい!

といった相談があります。

 

ではどうしたら医薬部外品の登録をされたスキンケア(メイクアップ)を販売することができるのでしょうか。

また、販売するにあたっての期間や費用に関しても気になるところだと思います。

 

 

 

厚生労働省の許可が必要!

まず、医薬部外品をメーカーとして販売する(裏面に発売元として自社の社名を入れる)にあたっては、厚生労働省の許可が必要です。

 

 

必要な許可

製造を自社で行わない場合でも、日本国内で医薬部外品をメーカーとして販売する場合、化粧品と同様に医薬部外品製造販売業の許可が必要になってきます。

海外品を輸入販売する場合は、基本的に医薬部外品製造販売業と医薬部外品製造業の両方の許可が必要になります。

 

 

企画にあたっての注意

医薬部外品に関しては、広告表現やパッケージの記載項目・製品管理など化粧品以上に注意を払う必要がありますので、これまで化粧品での販売実績がない場合は、医薬部外品を第1作目の商品として作ることはおすすめしません。

そのためいくらOEMで作るといっても化粧品での実績を重ねた上で、医薬部外品の販売に挑戦する方がよいです。

 

 

また申請の詳しい内容に関しては、福岡県庁の情報ページは、福岡県に通販系化粧品会社が多いだけあり充実していますので、参考にされても良いかもしれません。

※各種書類の取得方法は、厚生労働省のページをご参照ください。

 

 

 

 

完成・納品までの期間

医薬部外品は、市場にたくさん流通しているため簡単にできるかと思われがちですが、実際には、医薬部外品の成分としてすでに承認されている場合でも、申請から審査の承認が下りまで半年~1年(平均的に8ヵ月)とかなりの時間がかかります。

 

さらに、その前段階の商品企画や開発試験・データ作成等に3~8ヵ月程度 + 承認後のパッケージ関係や製造で3~6ヵ月かかるため、トータル1~2年程度の期間がかかります。

※リスクを承知で、パッケージなど同時進行される場合もあります。

 

 

そのため、すでにOEMメーカーが取得している医薬部外品の処方を変えずに使用し、容量やパッケージをオリジナル化して製造をする場合も多くあります。

その場合は、容器の製造リードタイムとデザインの決定次第ではありますが、デザインが決まって3ヵ月前後での納期にて可能になります。この場合、販売名や裏面の基本的な記載内容は変えることはできませんが、パッケージでブランド名や愛称を訴求することは可能です。

※「製造販売元」はOEMメーカー、「発売元」が依頼元の企業名になります。

 

また、ベースの処方は、すでにOEMメーカーが取得しているものから変えずにエキスの変更・追加をするOEMもあります。この場合は、多くの場合、安定性や安全性等の試験が簡略化できるため、医薬部外品申請までの準備期間(2~6ヵ月程度)が短縮されます。

※エキス濃度が高く、性質に影響を与える場合は除きます。

 

 

 

 

医薬部外品に必要な費用

申請費用ですが、既存の処方をそのまま使用する場合は不要ですが、新規で医薬部外品の申請登録を行う場合(処方が決まっている場合)、代行手数料も含め20~30万円ほど必要になってきます。

 

新規で処方開発を行う場合は、申請費用と別に発生してくる開発費用を製品単価に含む場合と製品単価には含めず、別途請求する場合がありますが、前者の場合は、これまでに取引があり、ある程度まとまった発注数量が確約されている場合が多くなります。

後者の場合は、研究開発にかかった人件費を含む実費+手数料になってきます。

(新規取引の場合は、原料・資材の調達など数ヵ月前から、費用が発生するため前金での取引形態が多くなります)

 

またエキス・香料の変更程度であれば、軽微変更届出になる可能性が高くその費用もあまりかかりませんが、新規成分を含んだ処方で試作を重ねるような場合、治験等のデータも必要になるため、その費用は高額となり1,000万円~3,000万円(中心価格帯)の費用がかかってきます。

※特許成分などに関しては、医薬部外品登録を行わずとも開発費に数~数十億円かかると言われています。製法特許に関しては、成分特許と異なり一般的な特許と同程度の難易度になります。

 

 

ただ、この費用が高額とみるかは、考え方次第です。

それは、大手化粧品メーカーの場合、売上の2~4%を研究開発費に充てているからです。

日本最大の化粧品会社である資生堂であれば、年間約400憶円、花王は約220億円、世界最大の化粧品会社であるロレアルでは約1,200億円といった予算(2019年概算)で研究開発を行っていますので、製造を他社に委託して行う化粧品会社の場合でも(研究開発費の投資分野をどこまで含めるのかは別にして)研究開発費を確保して経営を行わなければ、特殊な製法での製品、特許成分や新規成分を配合した革新的な製品などは、なかなか難しいと思われます。

 

そう考えると一般的に中小規模の化粧品会社で多い年商20憶規模の会社の2%であれば4,000万円程度の研究開発費の予算が必要になり、医薬部外品の開発や承認に必要な費用を十分にまかなえる金額ということが分かります。

 

 

 

製品自体の製造費用

申請費用などを除くと基本的に化粧品OEMで製造する場合と大きな違いはありません。

そのため、購入ロットの大きな成分や特殊な原料等を使用する場合は、化粧品同様に割高になります。

 

 

 

 

 

 

 

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